ポルトガル語でvirada seca(ヴィラーダ・セッカ)という言葉があります。
これはネイティブのブラジル人には理解できません。
なぜならこれは日本へ出稼ぎに来た日系ブラジル人達の間で生まれた造語だからです。
以前ブラジル人が働く製造現場での管理の仕事をしていたことがあります。
そこは24時間を2交代で稼働、つまりは毎日3時間固定残業の1日12時間勤務です。
2週間のローテーションで昼勤と夜勤が入れ替わるシフト制であり、このシフトを作成するのも僕の仕事でした。
この作業が大変頭を悩ませるものであり、毎度毎度膨大な時間を要しました。
なぜならば100名弱いる従業員それぞれの要求に応じつつ、工程に穴をあけないよううまい具合に作成しなければならないからです。
夫婦で休みを合わせてくれなければ嫌だとか、宗教上の理由で日曜日は働けないとか。
中には仲が悪い従業員同士を反対シフトにする等というこちら側の配慮も加えたりして、まるでルーブックキューブの全ての面を合わせるかのようです。
その中で従業員たちが最も嫌うことが”virada seca”です。
これは夜勤から中一日休みで昼勤に替わることを言います。
例えると土曜日の夜勤で深夜まで仕事をして月曜日の朝に昼勤の仕事に出る
寝なきゃならないので実質休みは0.5日しかないということなのです。
viradaというのは方向転換や反転の意味で、secaというのはブラジルのパラナ地方でよく使われる(らしい)口語で”嫌な、めんどくさい”の意味があるようです。
virada secaでも工程に協力して快く受け入れてくれる人、断固拒否する人
たいていは後者になりますが、我々はvirada secaが発生しないことを意識しながらシフト作成もしなければならなかったのです。
しかし嫌な気持ちはよくわかります。そりゃ俺だってしんどいもん。。。
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