しらさぎ幼稚園のO157による集団食中毒事件とその後について

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浦和美園にあるしらさぎ幼稚園では、過去に悲しい事件が起こりました。

日本初のO157による集団食中毒事件が発生し、2名の尊い園児の命が奪われたのです。

世界仰天ニュースでも取り上げられておりました。

事件後も後遺症で苦しんでおられる方がおられるそうで、決して風化させてならない事件です。

自分の住む町にある幼稚園で何が起こったのか、正確に知る意味も兼ねて、今回しらさぎ幼稚園で起こった集団食中毒事件を紹介します。

1990年に起こった一つの集団食中毒事件がきっかけで、多くの日本人が初めて恐ろしい最近の存在を知ることになる。

 

 

平成2年の10月初め、当時浦和市立病院で小児科部長を務めてた辻敦敏医師のもとに一人の女の子の患者が訪れる。

少女は2,3日前から腹痛があり下痢の症状を訴えていた。

実はこの時点で、彼女の通う幼稚園では多くの園児達が風邪を理由に欠席していた。

母親は同じように少女の症状も風邪と思い込んでいたのだが

気になる事が一つ

それは少女の便の中に血が混じっていたこと。

辻医師は赤痢菌等が原因で起きる、細菌性の急性腸炎の可能性を考えたのだが、、、、

 

 

同じような下痢や腹痛を訴える患者が後を絶たない、、、、

少女の幼稚園では10月10日に運動会が行われたが、欠席する園児が多くいた。

そして18日には園児184人のうち 28人が欠席し、翌19日幼稚園は休園となった。

そこで医師の頭に、これは集団食中毒である可能性がよぎった。

 

 

その後も同様の症状の患者は増え続け、実に55人もの園児が病院で治療を受け、20人が入院する事態に。

中には意識がない重篤な症状に陥る子供もいた。

しかしその時原因は全くわからなかった。

 

そんな中血液検査の結果が出ると、ようやくそれが溶血性尿毒症症候群であることがわかった。

溶血性尿毒症症候群とは

主に病原性菌細菌による症状の一つで、悪化した場合急性腎不全を引き起こし命に関わる場合もある。

 

そしてこの時、この症状によって別の病院で治療を受けていた園児が命を落としたことを知る。

一刻も早く原因を突き止めなければいけない!

 

 

医師はその時、過去に似たような症状を見た事を思い出した。

それは1982年アメリカで起きた、大手ハンバーガーチェーン店による集団食中毒事件。

加熱不足のハンバーガーが原因とされ多数の人が感染し命を落とした。

危険な新型大腸菌として、この時初めて世に知られたその菌こそがO157だった

 

 

腸管出血性大腸菌O157とは、激しい下痢と腹痛を病原性大腸菌の一つで

体内に入ると大腸へ。そこで菌がベロ毒素を出すと、血便や激しい腹痛の症状を起こす。

更に合併症を起こすと死に至る事でも知られていて、

この幼稚園集団食中毒事件の21年後の平成23年(2011年)に、焼肉店でユッケ等が感染源となり5人が死亡する事件が起こった。

 

これをきっかけに生肉の提供に制限がかかった事でも知られている。

だが当時はO157はごく僅かの研究者以外にその存在は知られていなかった。

そんな中、医師はO157の試薬が検査室にある事を思い出す。

当時ではかなり稀なO157等の検査試薬を辻医師の勤務する病院は持っていたのだ。

これにより集団食中毒の原因がO157である事を特定。

これこそが日本初のO157による集団感染事件だったのだ。

 

 

しかしなぜO157の集団感染が起こったのだろう?

辻医師には当時から気になっていたことがあった。

患者の半数以上が園児、しかも皆同じ幼稚園

となれば園児たちは何か共通のものを口にしているはず。

幼稚園には給食施設がなかった為、給食は外注業者から運ばれていた。

その為まずは使っていた給食センターの調査が行われたが、園児達が食べたと思われる給食などから菌は検出されなかった。

 

そしてO157は意外な所から発見される。

菌は幼稚園の飲み水から検出されたのだ!

なんと感染源は幼稚園で使用されていた飲み水だった。

 

 

何故そんなことが?

それは信じられない理由だった。

幼稚園の飲み水は敷地内にある井戸から引いていたのだ。

埼玉県衛生部の調査により近くに汚水タンクがあり、そのタンクの継ぎ目に亀裂があった。

菌は汚水タンクが破損し、そこからO157に汚染された水が漏れ、近くにあった井戸水に入ったと思われた。

 

 

最終的に別の病院で治療していた症状の重かった園児2名が命を奪われた悲劇。。。。。

 

 

O157はこの時初めて世間に知られる事となる。

更にこの事件は井戸水の滅菌処理を行っていなかった幼稚園のずさんな管理管理体制などもあり大きな波紋を呼んだ。

そのずさんな管理体制について

幼稚園は埼玉県の許可を受けずに井戸水を使用、そして年1回の規定の検査も行っていなかった事が判明。

事件の3年前には保健所の検査により、井戸水から基準値を超える細菌が検出され、蛇口からも大腸菌が検出されたのが判っていたのだ!

そして保健所からは水道水に切り替えるか、煮沸して使用する等の処置をするよう指導を受けていたのだが、この指導が守られていなかった。

当時の園長は当初「水質検査は問題なかった」と述べたが、後になって「検査結果は承知していたが、長年使っているので大丈夫だと思った。衛生に関する考えが甘かった」と前言をひるがえしたという。

 

 

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