子供の頃剣道をやっていました。
私の父が昔から剣道一筋の人で、最終的に7段師範代でした。
小さいころそんな父親とチャンバラごっこをしていた時のこと。
私の太刀を全て鮮やかにさばくオヤジの姿がすごくかっこよくて
僕も剣道をやりたい!と言ってしまった事が全ての間違いだったのです!
実際やってみたら防具臭いし稽古だるいしつまんねぇ。やっぱり僕剣道を辞めたいと言うと
自分からやりたいと言い出したのだから途中で辞めるのは許さん!剣道の防具一式揃えるのにいくらかかったと思っているんだ!
と一喝されました。
言っていることは確かに正しいです。しかしこれは親にとって都合の良い理屈であって、もの心がついたばかりの子供にとっては非常に理不尽です
よくこういうシチュエーションで”父親は幼い時の自分も一人の男として見なしていたのです。そこで私は男と男の約束の大切さを学んだのです”とか美談にする人がおりますが、そんなことは微塵も感じておりません。
極悪非道、鬼畜の所行、下衆の極みです!
父はサラリーマンの時から何個の道場を掛け持ちして週4程稽古に行っておりました。
私もそれに強制的に連行されていたのです。
小学校の頃友達と遊んでいて、夕方5時になると道場へ通う為帰らなければならなかったのが非常に憂鬱でした。
例え家でゲームをしていてラスボスが倒せそうでも、外でかくれんぼをしていて鬼であろうとも、5時になれば絶対に帰らなければならなかったのです!
この時に少年時代の貴重な多くの時間が嫌いな剣道に費やされたことが非常に悔しくてなりません。
そして私は中学生になりサッカー部に入部するも、相変わらず道場へ通わされてました。
この頃になると道場へ行ったふりをして、実はコンビニでマンガを立ち読みして時間を潰すというテクニックもマスター。
匂いでばれない為に、人気のない公園で敢て防具を装着したりしてましたw
そしてそんなこんなんがあって、ある時親ともめにもめてついに、二段を取得したら剣道を辞めていいということに\(^▽^)/
それまでは中学生は初段までしかとれない規則だったのですが、私の代で初めて中学生に二段が解禁されたのです。
私は全身全霊を昇段審査に注ぎ込み、見事ソッコウで一発合格しました。
ようやく剣道と決別できたのです!翌日には稽古着、袴、防具を全て燃やしました。
皮肉な事に好きだったサッカーは全く才能はありませんでしたが、剣道は結構エリートだったと思います。
地区の大会で何度か優勝してたし、道場でも大人とそこそこの勝負をしていました。
剣道推薦で特待生待遇で高校進学とかいう話もありましたが、剣道部などに絶対入りたくなかったのでえらい先生からの有り難いお話を断固拒否したりもしました。
ちなみにこれまで剣道をやってきて人生で良かったことは何一つありません。
サッカーに集中していた方がよほど学ぶべきことが多かったと思います。
百歩譲ってまだ柔道や空手をやっていた方が実用的であったと思います。
父はよく剣道をオリンピック種目にとか戯言を抜かしていましたが、そんなことがあろうものなら私は剣道全廃運動に参加するつもりでした。
我が子に自身の生きがいを否定された父親は仕事を引退してからも相変わらず毎日道場へ通っていました。
ある日”剣道と作曲”というなんやようわからんブログを開設した時には久しぶりに声を出して笑ったのを覚えています。(ブログは現在閉鎖)
後日母親からきいた話では東京にある実家は父のお気に入りの道場が近いという理由だけで建てられたのだそうです。
私も自分の子供ができたらできればサッカーをやらせたいとは思っているのですが、自分のそういう経験があるのでやりたいことをやらせてあげようと思っています。
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